守屋塾空間デザイン:木下菜旺子さん インタビュー

木下菜旺子

――――はじめに守屋塾の空間について、どんなものをつくっていこうと考えましたか?

塾として今までの中で必然的に成り立ってきた要望や個別指導という形態があったので、その流れや要望をパズルのように空間にあてはめていきました。特に勉強のための機能性や部屋の中での動線といった効率性を考えています。3つに部屋が別れていて空間の広さは決まっているので、その中でどのように工夫してそれらを入れ込んでいくかを考えました。

また、守屋塾にはストイックに一つ一つにこだわっていくというテイストがあるので、それを具体的にどのように形にしていくかを意識しました。私が「ここはこうする」と決めてやったというよりは、子ども達にはどういった空間だと良いかとなどと考えながら自然発生的に生まれたものです。やり方としてはそれぞれが既に持っているものを引き出していく感じでしょうか。

――――守屋塾の空間はデザイン性だけでなく機能性も強く意識されているように感じます。

長く使われていくことを考えて、実際にどういう風に使われるかを考えています。必要なものだけを表に出してきて、しまいやすくスッキリできる。機能と綺麗さ両方が収まってくると良いと思っています。 収納については、しまい込んでしまうのではなく、生活の一部として動線の中で使えるといったことを意識しました。 そういった意味ではコンパクトな空間だからこそ、この空間になりました。

制限があるからこそ、色々考えてつくることができる。それがデザインだと思います。アートと違ってデザインは表に強く出てくることでもなければアピールするものでもないと考えています。デザインされているから、何か制限や不都合なことがあっても、気持ち良く過ごすことができたりかっこよく見えたりする。それがデザインの醍醐味だとも思います。デザインが主張するというより、使う人が活きる空間をつくるといった感じでしょうか。

――――具体的にはどのような工夫をされましたか?

6階については空間を壁ではなく段差をつけることで区切る、先を見透かせることができるようにすることで部屋全体の繋がりを感じることができるようにしました。また、部分的に壁を配置しスリットをおくことで、まだ見えない先があるように見せ、空間の広さを感じることができる様にしています。

6F

5Fかまくら

――――守屋塾の特徴的な個室として5階のかまくらがありますが、あれはどのようなイメージでつくられたのでしょうか?

私の「勉強するというイメージは洞穴のような空間で籠るというものでした。お正月みたいに雪でつくったかまくらの中で、お餅を焼くのではなく勉強するという感じです。秘密基地みたいでもあるし巣みたいでもあって、楽しいと思うんです。包まれる感じがして安心もするし、子どもがそこを好きになるのでは思ってつくりました。

――――5階といえば自主席の仕切りも使いやすくデザインも素敵だと評判です。

自習する時に生徒が集中しやすいようにするためにはどうすればいいかを意識してつくりました。ブースで区切ってしまうと狭くなるので、何か面白い仕切りをつくろうとして、こういった形になりました。 長く大事にされていくにはシンプルが一番良いと思うんです。できるだけ簡単で、使い易いこと。あの部屋の天井の高さや形の中で生まれてきた、あの部屋ならではのものだと思います。

どの部屋でも、それぞれの場所で何がベストなのかを考えています。

5F自主席

――――自然素材を多く使っているとお聞きしました。壁にはアレルギーフリーの珪藻土を使い、床には船の甲板と同じ木材を使っている。また、所々にスチールを使っている。

自然素材を使うことで風合いも変化していく。長い間使っていくことで馴染み、愛着が湧いてくる。自然素材を使うということは、あえて訴えるものではないかもしれないけど、感じるものだと思っています。

床の木材は船の甲板などに使われている素材です。重みや厚みがあり丈夫で、使えば使うほど馴染んでくる。強く品があって守屋塾に合っていると思いました。 スチールも風合いが変わってきて、味がでます。錆びてきても凛と力強い雰囲気がある。細くても力強い。木の優しさに鉄の力強さが空間の雰囲気をうまく調和していると思います。

作品を飾るということがあったので、強すぎないけど弱すぎて間が持たない、といったことがないようにバランスを考えました。

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